<はじめに>
遺言書は、法律の要件を満たしたものでなければ、効力の無いものになってしまいます。
いきなり「完璧な遺言書を作るぞ!」というのは大変だと思いますので、まずはその前提となる「メモ書き」をしていただいて、その過程でご自身のお気持ちの振り返り、ご親族への思いなどを巡らせながら、遺言書の要件を満たすための「お気持ち整理メモ」をご用意いただくと、一つのきっかけになるかと思います。
ここでは、『遺言の形式』のことにはあまり触れず、「遺言書の要件」に関わるものについて、簡単にお伝えしていきます。
1. ご自身の財産の把握を。⇒遺言書の「財産目録」を作成するため
「妻には家を、長男には株式を、次男には自動車を…」、「でも、兄弟間で喧嘩とかしないだろうか?」と、いろいろとお考えになり、気を揉む事だと思います。
まずは、現在のご自身の「財産」を把握することから始めてみませんか?
①預貯金・現金
②不動産
③自動車・バイクなど
④宝石・貴金属・絵画・楽器など
⑤有価証券(債券・株式・ゴルフ会員権など)
⑥債務(借金・未払金など)
主だったものだけを挙げさせていただきましたが、ご自身で把握をしていく中で、またいろいろとお考えが芽生えてくるかと思います。
手書きのメモでも良いので、一通り書き出してみてはいかがでしょうか。
2.「誰に? どれくらい?」相続させたいか。⇒相続人の確定、法定遺留分の考慮のため。
誰が相続人になるかの順位は、民法で決められております。ですから、ご自身が「財産を与えたい!」と思う対象の方が相続順位では後回しの場合や、そもそも相続人にならない場合には、『遺贈(遺言による贈与)』という形で財産を譲渡することはできます。
また、相続する割合(相続分)も法律で定められていますが、ご自身のお気持ちによって、別途、遺言書の中で『相続分の指定』を行うこともできます。
ただ、民法には「残された相続人の生活のため」という趣旨で、法定の相続人に最低限の財産を確保する『遺留分』という規定があります。
その『遺留分』を侵害するような『相続分の指定』や『遺贈』は、やがて相続開始後の争いの種になりますので、その点は是非、法律家にご相談ください。
3.手書きのメモやエンディングノートは、遺言にはなりません。⇒法律上の形式・要件を備えて。
ここまで、「メモ書き」を勧めてきましたが、そのままでは有効な遺言書にはなり得ません。
法律上の遺言書として、『自筆証書遺言』と『公正証書遺言』が代表的なものですが、この2種類を大まかにお伝えすると…
『自筆証書遺言』は、その〘全文・日付・氏名〙を自書し、押印することが必要です。
ワープロ打ちの文字では、「効力が無い遺言」とされます。⇐財産目録については、自書でなく、パソコン等で作成し、目録のすべてのページに署名・押印があれば有効となります。
「費用がかからず、一人で作成できる」という長所がありますが、反面、
「自宅等での保管中に紛失、利害関係人の改ざん・隠匿等のおそれがあり、また相続開始後に、改ざん・偽造などがされていないかの確認のため、家庭裁判所の検認手続きが必要」という短所があります。
『公正証書遺言』は、遺言者が遺言の内容を公証人に伝え、公証人がその内容を筆記して作成するものです。
『公証人』とは、国の公証を行う実質的な公務員で、元裁判官・元検事などの法律実務に携わった者の中から、法務大臣によって任命されます。
「形式不備が無い、検認も不要、安全に保管される。自書や署名ができなくても作成可能」といった長所がありますが、反面、「役場へ行く手間・時間がかかる、公証人への費用がかかる」といった短所もあります。
相続開始後に遺族へ負担をかけたくない場合は、検認手続きが不要な『公正証書遺言』にされる方が無難です。
『自筆証書遺言』でも、2020年7月10日からスタートした『自筆証書遺言保管制度』では、法務局でご自身が作成された遺言書を管理し、必要な時に閲覧・変更・撤回ができるようになり、更に検認手続きも不要となりました。
しかし、この保管制度では、【遺言書の内容】についての相談や助言はされませんので、やはり後日、その内容についての疑義・紛争が生じるおそれがあります。
「どの形式の遺言書にするか」、「どのような内容にするのが無難なのか」等、色々とお悩みになった際には是非、お気軽に当事務所へご相談ください。
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【事務所概要】
うおざきマエダ行政書士事務所
行政書士 前田 徳義
〒658-0026
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